■2018年4月28日 J2リーグ第11節
 横浜FC 1-0 徳島
 得点者:(横)北爪健吾
     (徳)なし

明治安田生命J2リーグ第11節が4月28日に行なわれ、横浜FCが前半の先制点を守り切って勝利。第5節以来、6試合ぶりの白星を挙げた。今季加入してチームで唯一、開幕から先発フル出場を続けているMF武田英二郎は、この日も左アウトサイドでフル出場。後半は苦しいプレーが続いたが、最後まで足を止めずに勝利に貢献した。

「湘南で鍛えられた」

横浜FCは前節まで3試合連続の引き分けで、最近5試合は4分け1敗。この日も前半に先制したまでは良かったものの、後半は徳島の攻勢に苦しみ、特に左サイドを執ように狙われて多くのピンチを迎えた。

対面から何度も攻め込まれ、守備に追われる時間が長かった武田は、「カウンターから追加点を取れていたら楽になっていたし、チャンスもあったけど、後半は正直、割り切ってプレーしていた面もある」とコメント。「勝ててよかった。内容は課題が多いとはいえ、こういうときに勝てるんだから、サッカーは不思議ですね」と勝利を喜んだ。

ただ、「守り切れてよかったですけど、自分の良さは全く出ていなかった。今日は何もしていない」と自己評価は厳しい。スピードに乗った攻め上がり、利き足の左足から繰り出す正確なクロスなど攻撃面が持ち味だが、この日は敵陣深くまで攻め込むシーンそのものが少なかった。「攻め上がるタイミングがなかったですけど、もっと攻めていく必要があった。その点で自分自身は、消化不良の面がありる。全試合フルタイム出場は、タヴァレス監督の高い評価の証明ではあるものの、「今日みたいなプレーをしていたら、試合に出られなくなる。次の試合でチャンスをもらえたら、必死でプレーしないと」と反省の言葉が続いた。

それでも、昨季まで3年間プレーした湘南で「戦うところ、ボールを奪いに行くところといった、サッカーの基礎的なことを求められて、すごく鍛えられました」と振り返る。「それも自分の良さの一つになっているので、もっと出していきたい」という思いの一端が、この日の粘り強い守備に表れていた。

「試合に出ていても、危機感は常に持っています。もっと持ち味を出さないと」。そう語る武田の攻守両面の働きは、横浜FCの上位浮上のカギを握りそうだ。

(※写真・前列右端が武田)

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE PHOTOS