■J1リーグ 開幕節
湘南 2-1 長崎
得点者:(湘)イ・ジョンヒョプ、石川俊輝
(長)田上大地
2月24日、J1第1節の湘南対長崎が行なわれ、J1初挑戦の長崎は1-2で敗れた。開始早々の8分に先制される苦しい展開だったが、JFL時代を知る苦労人らがチームの奮闘を支えた。
チームを牽引する2人がJ1初ゴールを演出
2人の30代の選手の思いが、ゴールを引き寄せたかのようだった。
左サイドからの長いFKをゴール前へと送ったのは、長崎のJFL時代を知る前田悠佑。そして、ファーサイドへ届いたボールをドンピシャリで合わせたのは、前田入団の翌年に加わった、34歳の髙杉亮太だった。ヘディングは湘南GK秋元陽太に弾かれたが、こぼれ球を田上大地が押し込み、同点ゴールが生まれた。
チームのJ1初得点を記録し損ねた髙杉は、「やっちゃったなと思った。『あっ』と思ったけど、大地がいた」と苦笑いする。同じくJ1初アシストを逃した前田も、「そこ(アシスト)は置いておいて。次にまた、チャレンジしたい」と振り返った。
同点に追いついた長崎は、前線からの果敢なプレスも見せるようになる。相手ボックス付近でボールを奪い切り、シュートにつなげる場面もあった。セットプレーも引き続き、相手への脅威になった。
残り10分でセットプレーから勝ち越しを許したが、終了間際にもCKをつかむなど、最後まで勝利を追い続けた。そのCKは、前田の自陣でのパスカットから始まったもの。終盤で疲労をうかがわせながらも、ボールを送ると前田自身も最後の力を振り絞るように相手ゴールへと走っていった。
昨季もJ2で顔を合わせた湘南とのJ1初戦だったが、「雰囲気は違った」と前田。「毎回こういう中で試合ができるのはすごく幸せなことだし、そういった中で僕らは結果を出していかなければいけないなというのを、あらためて感じました」
次節はついに、ホームで初のJ1の試合を迎える。
文◎杉山 孝 写真◎J.LEAGUE PHOTOS