■J1リーグ 開幕節
広島 1-0 札幌
得点者:(広)ティーラシン
    (札)なし

ミシャ・スタイルの攻撃の軸

明治安田生命J1リーグ第1節が2月24日に行なわれ、アウェーで広島と対戦した札幌は0-1で敗戦。浦和から期限付き移籍で加入し、札幌でのデビューを飾ったMF駒井善成は「開幕戦を落としたのは、すごく残念」と厳しい表情で語った。

右アウトサイドで先発したものの、前半は広島のMF柏好文、DF佐々木翔をはじめとする左サイドからの攻撃に押し込まれる時間は続いた。「前半は(宮澤)裕樹くんと(深井)一希がディフェンスラインまで落ちてしまう形があって、前と後ろが5人と5人で分かれてしまい、中継役がいない感じになった」。その流れの中で28分に左サイドを崩され、柏のセンタリングからFWティーラシンに先制点を奪われてしまう。

だが後半は一転して札幌ペース。駒井も良い形でボールを持つ場面が増え、2シャドーの一角に入ったMF三好康児とともに多くのチャンスに絡んだ。「裕樹くんと一希が前向きになる状態を作ってくれて、良いサイドチェンジから仕掛けることができた」と語る通り、56分にはセンタリングをMFチャナティップに合わせるなど、広島の脅威となった。後半はワンサイドゲームと言っていいほど相手を押し込んだが、最後までネットを揺らすことはできず。「(後半は終始、攻め込んだ)その点は良かったけれど、チャンスで決め切れなかった」と反省点を口にした。

「私が浦和を去るときは駒井を連れていく」と語るほど重用してくれたペトロヴィッチ監督が率いる札幌で、今後も攻撃の軸として期待がかかる。「自分の良さを全然見せることができずに悔しい。自分の良さはドリブルなので、その状況を自分で作り出さなければいけない。もっとボールを要求して、きつい場面でも預けてもらい、ドリブルで仕掛けてチームを勢いづけるのが自分の役割。次のセレッソ戦では、もっと要求して、ボールを受けて、難しい局面でも状況を打開したい」。2年連続のJ1残留から、さらに上位を狙うために、サイドアタックの中心となる決意を新たにしていた。

文◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE PHOTOS