その能力は関西学生リーグで際立っている。阪南大のボランチは、今季開幕前のキャンプにも参加した京都への加入が内定。クラブの強化部長は、来季の新戦力の魅力を口にする。

強化部長が驚いた臨機応変な対応力

広い視野を持ち、豊富な運動量を誇るボランチとして高い評価を受け、京都入りが内定。同クラブの鈴木慎吾スカウトがつぶさに重廣の成長過程を追っており、継続してチェックしてきたという。

野口裕司強化部長は「即戦力として考えている。将来は中心選手になってほしい」と期待を込める。今季開幕前の鹿児島キャンプで強化トップの評価はさらに高まった。

「チーム事情があり、練習試合で急きょ3バックのセンターで出てほしいと頼むと、『やったことはありませんが、やってみます』と快諾してくれたんです。普通は評価を下げたくないから、本職以外でのプレーを断るんですけどね。実際、見てみると、普通にこなしていたから驚きましたよ。そのプレーぶりは、本物のリベロみたいで。攻撃参加のタイミングもいいし、臨機応変に対応できる能力が素晴らしいと思いました。本当に面白い選手です」

ピンチをチャンスに変え、結果を残せる男はそうはいない。
 

(取材・文◎杉園昌之)
 

【プロフィール】
しげひろ・たくや/1995年5月5日生まれ。広島県三次市出身。広島皆実高時代には全国高校選手権に出場した。阪南大では全日本大学選抜、ユニバーシアード代表にも選ばれた。179㎝、66㎏。

※サッカーマガジン10月号掲載の大学支局を再構成し掲載しています。