8月24日発売のサッカーマガジン10月号はJリーグ準会員だった『ネクスト10』を特集。セレッソ大阪からは柿谷曜一朗選手が登場。クラブについて、自身が背負うエースナンバーについて語っている。

8番で活躍する意味

昨年、スイスのFCバーゼルから古巣セレッソ大阪に復帰し、柿谷自身、クラブに対する見方・考え方が変わってきたという。いまは、一つの「イメージ」にとらわれる必要がないと感じている。

「若い選手が出てくるときがセレッソらしいとか、個人的には関係ないと思っている。セレッソはこういうチームというのを決めたりする必要はない。仲良しクラブと言われようが、結果が出れば、何も言われません」
「僕もまだ若いけど、チームにはもっと若い選手がたくさんいます。若い選手たちがセレッソを引っ張っていかないといけないし、僕らも負けてはいけない」

若い選手が台頭し、中堅選手やベテランと切磋琢磨してチーム力を高め、結果を積み重ねていく。それがやがて確たるセレッソ像を生み、形づくっていくのかもしれない。伝統があるものの、結果を出すことで、これからセレッソ大阪というクラブの「形」をつくることができるのだ。

その先頭には今、このクラブのエース番号とされる背番号8を背負い、キャプテンマークを腕に巻く柿谷がいる。

「本当に8番は特別なのか。森島さんが特別なのか。あいまいな部分があると思う。そこをはっきりさせていきたい」

インタビューの中では、クラブのレジェンド・森島寛晃へ畏敬の念を抱きながらも、強烈な自負もにじませた。それは現役選手としてセレッソ伝統の8番を付けるからこそ。この番号を背負って活躍を続けていくことに意義があるとも話している。

今季から尹晶煥監督が指揮を執るチームは、様相がガラリと変わった。試合を重ねるごとに守備が安定し、確実に得点して勝ち点を積み上げてきた。J1復帰1年目ながらシーズンの3分の2を過ぎても、優勝を狙える位置につける。

それでもチームを引っ張る柿谷に慢心は一切ない。

「今の結果に一喜一憂している場合ではないから」

浮き沈みの激しいクラブの歴史を見てきたキャプテンの言葉はどこまでも重かった。すべてはセレッソ大阪というクラブを愛するがゆえだ。

柿谷の率直な思い、強い決意は、ぜひインタビュー完全版で――。

(取材◎西海康平/撮影◎石井愛子)