調印式に出席したJリーグの村井満チェアマン(左)と、ラ・リーガのハビエル・テバス会長(右)。エイバル所属の乾貴士(中央)もフォトセッションに加わった

Jリーグとラ・リーガが戦略的連携協定締結

Jリーグが、世界最高峰のリーグとタッグを組むこととなった。

6月22日に東京都文京区のJFAハウスにて、Jリーグとスペインのラ・リーガ(スペイン・プロサッカーリーグ)の戦略的連携協定調印式が行なわれた。Jリーグが海外リーグと協定を結んだのは11リーグ目。ヨーロッパのリーグでは初めてとなる。また、ラ・リーガにとっても、Jリーグがアジアで初めて協定を締結したリーグとなる。

調印式にはJリーグの村井満チェアマンとラ・リーガのハビエル・テバス会長が出席。協定の内容や狙いを説明した。

協定の内容は、以下の4点。
(1)両国トップチームの交流
(2)テクニカル、育成(女子サッカー含む)/両リーグで国際ユース大会を開催する等の育成年代の交流、強化、指導者交流
(3)インテグリティ/セミナー開催におけるスタッフ派遣およびノウハウ、リソースの共有
(4)クラブマネジメント、リーグ運営/リーグ、クラブスタッフの短中期交換プログラム、両リーグイベント等の視察

まず、(1)については、7月に行なわれる『明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017』をはじめ、「トップチーム間の交流や真剣勝負の場を増やす」(村井チェアマン)ことを目的とする。

さらに、村井チェアマンは(2)~(4)までの、指導者の交流やクラブスタッフの派遣に関しても「(ラ・リーガのクラブの)育成システムや運営を学んでいきたい」と言及。「(エイバルで活躍する)乾貴士に続く選手を育てていければ」と、将来の希望も口にした。

テバス会長も「ラ・リーガで3人の日本人選手が活躍しているのは喜ばしいこと」と、エイバル(1部)の乾、タラゴナ(2部)の鈴木大輔、テネリフェ(2部)の柴崎岳を称賛。2016-17シーズンの最終節で、日本人選手として初めてバルセロナの本拠地で2ゴールを決めた乾を例に出し、「カンプノウのような舞台で日本人選手のゴールをもっと見られれば」と、日本人選手のさらなる活躍に期待を寄せた。

トークセッションでは小澤一郎氏(左)が司会を務め、乾(中央)と原博実Jリーグ副理事長(右)がラ・リーガについて語り合った

調印式の後には、乾や原博実Jリーグ副理事長らによるトークセッションも行なわれた。

「ラ・リーガは、日本人に一番合っているリーグだと思う。トップチームだけではなく、育成や女子も含めて、この協定締結をきっかけにいろいろなことを学べれば」と期待を込めたのは、日本サッカー界きっての“ラ・リーガ通”としても知られる原氏。

実際にラ・リーガでプレーする乾は、「ここまでレベルが高いのか、とびっくりさせられた」と、エイバル加入当時の印象を明かし、協定の締結については、「すごくうれしいこと。日本サッカー界が成長するための大きなチャンス」と意義を説明した。また、「次の世代がラ・リーガでプレーするために、日本人の評価を上げられるように頑張ります」と、意気込みも話した。

今回の協定締結により、Jリーグがラ・リーガのような世界最高峰のリーグになっていくことが、今から楽しみだ。